育毛剤・養毛剤・発毛剤の違いとは?!
育毛剤のパッケージをよーく見てみると、「育毛剤」と書かれているもの以外に「養毛剤」「発毛剤(発毛促進剤)」と書かれているものがあります。
「育毛剤を買ったつもりだったのに、発毛剤じゃん!?」と、驚いた方も中にはいるかもしれません。
ということで今回は、育毛剤・養毛剤・発毛剤の違いについて詳しく調べてみたので、それをお伝えしていきます。
育毛剤・養毛剤・発毛剤の明確な定義は存在しない!
いきなり結論になってしまうのですが、実は「育毛剤・養毛剤・発毛剤」についての明確な定義は存在しないようです。
同じような成分を配合していても、メーカーによって表現方法が異なることがありえる…というちょっとややこしいわけですね。
そのため、一般的に育毛剤として認識されていても、メーカーが「養毛剤」だといえば養毛剤になる可能性が高いです。
この結論では釈然としないので、医師の発信する情報を探してみると、それぞれの言葉の定義について次のように記述されていました。
巷には様々な髪の毛に関する商品があります。呼び名も「養毛剤・育毛剤・発毛促進剤」と、それぞれ何が違うのか?と思われる方も多いでしょう。
- 養毛剤:脱毛を防止し、毛髪を保護する。
- 育毛剤:毛髪の成長を促す。
- 発毛促進剤:毛母細胞の働きを活発にし、毛髪が抜け落ちた後に、新しい毛髪が生えてくる手助けをする。
「養毛剤」「育毛剤」に関しては、現存する毛髪に影響を与え、抜け毛の防止・予防を行い髪の成長を促進させる。「発毛促進剤」になると、新しく生まれてくる毛髪に影響を及ぼすと、捕らえていいのではないでしょうか。
引用元:http://www.hairmedical.com/hatsumouzai-qa/tigai/
医師の発信する上記の記述を見てみても、正直「え!?何が違うねん…」って思いませんか?
初めにもお伝えした通り、正直言葉の明確な定義が存在しないので、信憑性の高いサイトの情報でさえも曖昧な表現がされていました(汗)
また、医師が上梓された書籍にも次のような記述があるので引用しておきます。
「前の項目で僕は育毛剤と発毛剤と書き分けましたが、みなさんにはこの違いがおわかりでしょうか?実は、僕もよく分かりません。」引用元:『専門医が語る毛髪科学最前線』(板見智,2012年,P81)
専門医がそろって明確な定義をされていないところを見ると、それぞれの商品を明確に線引きをすることは難しいようです。
ただ、日本の法律である「薬機法(旧:薬事法)」の「医薬部外品」の定義を見ていくことで、大まかな違いを知ることはできます。
育毛剤には、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つに分類されているので、それぞれの違いについて見ておきましょう。
育毛剤を分類する「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」とは
では初めに、それぞれの言葉の定義をしっかりと見ていきます。
まずは「医薬品」について。
1 日本薬局方に収められている物
2 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品(以下「機械器具等」という。)でないもの(医薬部外品を除く。)
3 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く。)
これが医薬品と定められているものの定義となります。
次に、医薬部外品について。
この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げることが目的とされており、かつ、人体に対する作用が緩和な物であつて機械器具等でないもの及びこれらに準ずる物で厚生労働大臣の指定するものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、前項第2号又は第3号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物を除く。
- 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
- あせも、ただれ等の防止
- 脱毛の防止、育毛又は除毛
- 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止
最後に、化粧品について。
この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化 し、魅力を増し 、容貌ぼうを変え 、又は 皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第1項第2号又は第3号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
ちょっと堅苦しい言葉が続いて眠くなってきますが、要は配合されている成分によって作用が変わってくるので、わかりやすく3つに分類しているわけですね。
育毛剤の場合を考えると、次のように分けるという考え方もできるかと思います。
- 発毛剤…医薬品成分を配合している(医薬品)
- 育毛剤…有効成分を配合している(医薬部外品)
- 養毛剤…有効成分を配合していない(化粧品)
あくまでも分類する方法の一つとしての目安ですので、必ずしもすべての商品がこれに該当するわけではありませんが、一つの目安にはなるかと思います。
育毛トニック・スカルプエッセンスについて
育毛剤や養毛剤、発毛剤と同じくよく目にするものとしては「育毛トニック(育毛スプレー)」、「スカルプエッセンス」があります。
育毛トニックについては、商品によって「医薬部外品」に分類されるもの、「化粧品」に分類されるものが販売されています(配合されている成分の違い)。
スカルプエッセンスについては、基本的に「化粧品」に分類されており、商品によって「頭皮美容液」「頭皮ローション」とも呼ばれています。
これらの商品も含めてざっくりとまとめてみると、次のような違いになります。
医薬品 | 発毛剤 |
---|---|
医薬部外品 | 育毛剤・育毛トニック(一部) |
化粧品 | 養毛剤・育毛トニック(一部)・スカルプエッセンス |
このように見てみると、最も効果が期待できるのは、医薬品に分類されている発毛剤となります。
次いで、厚生労働省から効果が認められている有効成分を含有する医薬部外品。最後に化粧品となります。
「薄毛が気になる」と一言で言ってもその症状は人によって全然違います。そのため、どの育毛剤を使うかをしっかりと確認して選ばないと、正しい対策をすることは難しくなるので気を付けましょう。
発毛が期待できるのは医薬品に分類されているものだけ
上記のように分類してみると、発毛剤と呼ばれるものだけ医薬品に分類することができます。
そもそも、「育毛」と「発毛」では言葉の意味が違っており、発毛とは髪の毛を生やす必要があるので、これは薬でしか難しいです。
参考:育毛と発毛は全くの別物!あなたに必要なのはどっちか見極めることが必要
そのため、既に生え際や頭頂部のつむじ周りがガッツリと薄毛になってしまっている方の場合、発毛剤(医薬品)を使った治療を始める必要があります。
具体的には、薬剤師がいるドラッグストア(薬局)で販売している『リアップX5』(ミノキシジル含有)を使ったり、AGAクリニックで処方されるプロペシア(フィナステリド含有)を使った治療です。
ただし、医薬品を使った場合は、効果と共に副作用の恐れもあるため、それを十分理解しておきましょう。
薄毛の進行度別に使うべき育毛剤・養毛剤・発毛剤は異なる
言葉の定義についていろいろと見てきましたが、明確な定義はないため、ざっくりとした解釈しかできない…というのが正直なところ。
とはいえ、上でもお伝えした通り、育毛剤・養毛剤・発毛剤では、配合されている成分が異なることも珍しくありません。
育毛剤を買う前には、具体的にどのような成分を配合しているのか?を事前に確認して、あなたの頭髪に合った正しい商品を選ぶ必要があります。
具体的には、薄毛の進行状況がまだ初期の場合は、育毛剤(医薬部外品)や養毛剤(化粧品)に分類される商品を使って予防を目的に取り組むことをお勧めします。薄毛がかなり進行してしまっている場合は、AGAクリニックで発毛剤(医薬品)を使った治療に取り組むことをお勧めします。
よく、「育毛剤を使ったけど効果がなかった…」とおっしゃる方もいますが、それは自分の薄毛進行度に合った商品を選べていないのも一つの理由です。既に薄毛がかなり進行してしまっている状態で、養毛剤(化粧品)を使っても、十分な結果を得ることは難しいですからね。
具体的に自分がどの商品を選んで対策すればよいのかわからない場合、次の記事でイラストを参考にあなたに最適な対策方法を見つけてみてください。
これから薄毛対策に取り組む初心者さん必見!【どこよりもわかりやすく、自分に合った薄毛対策の方法について解説しました】